文学,社会

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 本作『夜の来訪者』は、ジャーナリストや批評家として活動したほか、社会運動にも積極的であったプリーストリーの戯曲。社会主義的色彩が濃厚な作品である。あらすじは、娘の婚約を祝う団らん中の一家のもとを、捜査中の警部を名乗る男が訪れる(夜の来訪者)。若い女性が自 ...

科学,スポーツ

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 今回は、古生物学者グールドのエッセイ集『フラミンゴの微笑』の下巻冒頭を飾っている「両極端の消滅」というエッセイである。表題が半ば答となっているのだが、米国大リーグでなぜ、1941年のテッド・ウィリアムズを最後に4割打者が誕生しなくなった(このエッセイが書 ...

文学,青空文庫

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 本作『五重塔』は、以前に言葉の問題で取り上げたことがあるが、小説の内容についてもレビューしておこう。小説としては露伴の代表作の一つで、新旧の二度、映画化もされている。なるほど、登場人物の個性、その心理描写、いくつかの「事件」、そして五重塔をめぐる分かりや ...

科学

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 本書『病の皇帝「がん」に挑む』は、病の皇帝すなわち癌の研究と治療の歴史を追ったもの。本書の存在は出版当時から知っていたのだが、しばらくは手に取らなかった。というのは、珍しくかつ幸運なことに、管理人の家系には癌で亡くなった者は(知る限り)いないからだ。何と ...

芸術

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 本書『無限を求めて』は、独特の平面分割や奇妙な立体等で有名なエッシャーの文章を集めたもの。自身の芸術観を語る往復書簡と演説、(病気のため実現しなかった)アメリカでの講演用の原稿、平面の正則分割に関する論考、そして晩年のエッシャーと親しかったフェルミューレ ...

社会,歴史

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 本書のタイトルは『奴隷のしつけ方』という奇妙なものだが、もちろん、そのような内容のマニュアル本ではない。本書は、古代ローマの架空の貴族(マルクス・シドニウス・ファルクス)が奴隷管理法を語り、実際の著者(ジェリー・トナー)がその監修と解説を担当する、という ...

社会,経済,歴史

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 本書『社会科学における人間』は、社会科学における人間類型(これは、「ある時代のある国民が全体として特徴的に示す思考と行動の様式、そのタイプ」と説明されている、ウェーバーのいう「エートス」のようなもの)について概説したものだ。著者の大塚久雄氏は、戦後の経済 ...

文学

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 本作『わたしを離さないで』は、ノーベル文学賞を受賞した作者カズオ・イシグロの代表作の一つである。映画化もされ(管理人は見ていないが)、その特異な背景設定も手伝って、受賞の前も後もかなりの話題となった。ある意味、不思議な読後感のある作品である。  本作の特 ...

心理,社会

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 世界ではテロ的なことが頻繁に起きている。日本でも多少方向性は違うが無差別殺人のようなことがたまに起こる。そこまで行き着かなくとも、理不尽な負のエネルギーが他人に向けられることは少なくない。こうした行為に、人格異常とか身勝手の極みとかレッテルを貼ることは易 ...

社会,歴史

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 本書『原子力の社会史』は、日本の原子力開発利用の草創期からの歴史を、批判的視点で鳥瞰した本である。最後の章に福島原発事故が入っているが、これは事故後に追加されたもの。本書の旧版はその10年前に出ていたし、もとより著者の研究はそれ以前から一貫していた。福島 ...