数理

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 統計処理や計量経済のようなデータ分析を扱った本は数多あるが、ありそうでなかったのが本書『ダークデータ』のような、処理や分析の対象となるデータそのものを扱った本だ。ダークデータとは、正しい判断を下すのに必要だが欠けている情報やデータである。真実を客観的に照 ...

科学

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 本書『宇宙を織りなすもの』は生粋の科学本、宇宙を構成する時間と空間の正体に迫った本だ。著者のブライアント・グリーンは、欧米に良くいる一流の学者でありながら筆が立つというタイプで、とにかくもの凄い筆力である。原子の内部から宇宙の果て、さらにはブラックホール ...

心理,経済,IT

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 本ブログで最初にレビューした『ファスト&スロー』で有名な行動経済学者ダニエル・カーネマンらの新著。人の判断のばらつき、すなわち『ノイズ』に特化した大冊である。判断誤りのうち、正しい値からのズレ、すなわち「バイアス」は目につきやすく、直すことは容易でないと ...

心理,数理

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 本書『数学における発明の心理』は、読んで字のごとくの心理を扱うものではなく、高度の数学的課題がまるで考えていない時に解けた、あるいは夢の中で解けた、という類の一見すると常識に反するような数学的発明(発見)の心理に関するパイオニアのような本である。原著の出 ...

科学

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 古今東西、不老不死が熱望されてきたことは、老化と死が避けられないものだという認識の裏返しである。怪しげな薬やまじないの類はそれこそ山ほどあったが、不老不死どころか、何の効果もないことは、現代医学の到来を待つまでもなく、うすうす気づかれていたことだろう。そ ...

経済,科学

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 本書『システムの科学』は、コンピュータ科学、意思決定・問題解決の専門家で、ノーベル経済学賞も受賞した著者が、「これまでの得られた研究成果をふんだんに盛り込み、永年にわたって構想してきた雄大なテーマをここに初めて開陳する」というもの。抽象度が高く、難易度も ...

社会,数理

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 本書『社会科学のためのモデル入門』はその昔、「モデル」という点に着目して買ったのだったが、内容的には学部レベルの経済学の入門書というところ。それほど難しくない話をページを割いてとにかく丁寧に丁寧に説明し、そして考えさせる、アメリカの教科書に良くあるスタイ ...

心理,IT

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 未来予測というものは、大抵は外れる。それも、何か別の対象を予測していたのかというくらいに外れる。しかし、それは未来は想像もつかないくらいに開けていることを示していると考えれば、まんざら悪いばかりでもないかも知れない。本書『人を賢くする道具』は、未来予測の ...

哲学,科学

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 本書『偶然と必然』は、ノーベル医学生理学賞受賞の著者が、合目的性を大きな特徴とする生物の謎、そしてそこに内在する思想問題に迫った本である。我々人間をはじめ、すべての生物に一定の合目的性が備わっていることは、否定のしようがない。しかし、通常「目的」というの ...

科学,ハウツー

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 読書のためには、それなりの環境を整えることが必要である。中でも重要なのが、どうやって騒音を避けるかである。特に管理人は、それでなくても気が散るタチなので、ずっと気に掛けてきた。ただ、騒音は外から問答無用で入ってくるものだから、対策を立てようにも限界がある ...