哲学,社会

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 これは数ある論点のうちの一つにすぎないのだが、人工知能民主主義(あまりに複雑になった世界においては、貧しい知能しか持たない人間を政治から追放し、意志決定を人工知能に任せるべきだとする政治思想)について、本書は皮肉かつ適切な指摘をしている。曰く、 [人工知 ...

哲学,文学

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 奇書好きの管理人にとって外せないのが、本書『禅とオートバイ修理技術』だ。題名からして奇異であるが、何やら哲学やテクノロジー論と関係したものらしい。そもそも管理人が本書の存在を知ったのは、たまたま読んでいた本が何と二冊続けて本書を引用していたからだ。二冊は ...

哲学

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 本格的な哲学や倫理学は取っつきにくい。一般向けの本を書いてもあまり売れないだろう。そもそも書くのが厄介だ。しかし、思考実験を持ってくると、話は変わってくる。本書『100の思考実験』はそこを狙い撃ちしたような本だ。思考実験の本領はそういうところにあるのでは ...

哲学,文学

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 人間、どう変わるか分からない。本作『人間とは何か』の作者マーク・トウェインは、明るさに満ちたアメリカ文学の最高峰『ハックルベリィ・フィンの冒険』の作者でもあるのだが、晩年は本作のようなペシミズムに沈んだ。しかし、近年の脳科学の成果によれば、作者の人間機械 ...

哲学

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 以前に「真実へのアンチ・テーゼ『嘘の効用』」で真実の価値に疑問を呈したことがあるが、これに回答してくれそうな本が、本書『真実について』である。著者は道徳哲学の重鎮であるフランクファート、正攻法の議論だ。  もっとも、管理人が反対したいのは、真実そのもの( ...

哲学,文学,青空文庫

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 本作『かのように』は、妙な題名であるが、まさに題名どおりの問題をテーマにした「哲学小説」ともいうべき森鴎外の作品である。筋そのものは、洋行後に歴史家になろうとしている主人公が、学問上のスポンサーである子爵たる父親との間で思想上の衝突を避けるにはどうしたら ...

哲学,文学,青空文庫

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 本書『論語物語』は、『次郎物語』で有名な著者の下村湖人が、『論語』の主な教えを同じ登場人物で物語風に再構成して見せたもの。『論語』の精神が分かりやすく示されていて、オリジナルの『論語』やその解説を読んだだけではいま一つピンとこないところが生き生きと描かれ ...

哲学,科学

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 本書『偶然と必然』は、ノーベル医学生理学賞受賞の著者が、合目的性を大きな特徴とする生物の謎、そしてそこに内在する思想問題に迫った本である。我々人間をはじめ、すべての生物に一定の合目的性が備わっていることは、否定のしようがない。しかし、通常「目的」というの ...

哲学,科学,青空文庫

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 本書『科学の不思議』の著者は、アンリ・ファーブル。『昆虫記』で有名な、あのファーブルである。内容はその著者や表題から想像できるとおりで、少年少女向けに、さまざまな科学上の疑問に答えてゆくというもの。  しかし、ここで注目したいのは、本書の訳者である。大杉 ...

哲学,ノンフィクション

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 本書『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』は、まさに「数奇な運命を辿った本」についての本である。その本とは、紀元前一世紀に生きたルクレティウスの手になる、原子論的自然学を説いた『物の本質について』。この本自体が大変な珍本で、近代科学につながる物質や宇宙 ...