社会,経済

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 本書『隷従への道』は、著者ハイエクの主著の一つ。自由主義や民主主義が全体主義へと「隷従」していきかねない思想と社会の動きに警鐘を鳴らしたものだ。本書の出版は1944年、第二次世界大戦中であるから、必ずしも西が東を敵と見た本ではない。むしろ西の中に胚胎しつ ...

社会,経済,芸術

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 本書『「レンブラント」でダーツ遊びとは』は、文化的遺産について、権利と価値あるいは価値と価値が衝突する場合、これをいかに調整するかという課題に取り組んだものである。ショッキングな本書の題名は、それを端的に表している。レンブラントの絵画、例えば「夜警」であ ...

経済,ノンフィクション

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 本書『ルワンダ中央銀行総裁日記』は、正にタイトルどおりの本。話が開発途上国の経済立て直しというものだから、浮かれた話は一切出てこないのだが、冷静に考えてみるとやっていること自体は相当に破天荒である。地球の裏側の国で何かを売り歩いたとか、何かのビジネスを立 ...

心理,経済,IT

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 本ブログで最初にレビューした『ファスト&スロー』で有名な行動経済学者ダニエル・カーネマンらの新著。人の判断のばらつき、すなわち『ノイズ』に特化した大冊である。判断誤りのうち、正しい値からのズレ、すなわち「バイアス」は目につきやすく、直すことは容易でないと ...

経済,科学

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 本書『システムの科学』は、コンピュータ科学、意思決定・問題解決の専門家で、ノーベル経済学賞も受賞した著者が、「これまでの得られた研究成果をふんだんに盛り込み、永年にわたって構想してきた雄大なテーマをここに初めて開陳する」というもの。抽象度が高く、難易度も ...

社会,経済

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 本書の題名は『ショック・ドクトリン』。最初に読んだ時は聞き慣れなかったが、本書の影響なのかどうか、その後マスコミなどでも聞かれるようになった。この「ショック・ドクトリン」とは惨事便乗型資本主義、すなわち、戦争、津波やハリケーンなどの自然災害、政変などの危 ...

社会,経済,歴史

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 本書『社会科学における人間』は、社会科学における人間類型(これは、「ある時代のある国民が全体として特徴的に示す思考と行動の様式、そのタイプ」と説明されている、ウェーバーのいう「エートス」のようなもの)について概説したものだ。著者の大塚久雄氏は、戦後の経済 ...

経済

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 日銀による金融緩和の奥の手として、2016年2月、突如としてマイナス金利が導入された。欧州ではかなり以前から実施されていたので、まったく新規の策というわけではなかったが、ほとんど事前予想になかっただけに金融経済界はどよめいた。 金融政策としてのマイナス金 ...

経済,ノンフィクション,ハウツー

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 本書『私の財産告白』は、タイトルのとおり著者が自身の蓄財術(あるいは広く財産管理術)を振り返ったものであるが、「知る人ぞ知る」珍本と言えるものだ。その理由は著者にある。この種の本を書く人といえば、成功した投資家か経営者というのが相場だろうが、本書の著者で ...

哲学,経済

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 石門心学あるいは心学とは、江戸時代に石田梅岩が創始した、日常生活に密着した実践道徳学である。この心学は、梅岩が商家に奉公していた頃の独学に根ざしていたこともあり、当初は商人の学という趣があったが、後に広く農民や武士にまで影響を及ぼした。本書『企業倫理とは ...