哲学,心理

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 人間の直感がかなり非合理にできていることは今や常識と言っても良いが、中でも確率に対する直感はかなり怪しい。とりわけベースレート(ベイズ理論の事前確率に相当する)を考慮に入れないことは、極めて広く見られる誤謬であるらしい。日常の直感ばかりでなく、相当に合理 ...

心理,社会

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 職業的挟持、あるいは専心といったものがある。いわゆるプロや専門家といった人々は言うに及ばず、普通の商売人や会社員でも持っている、いやむしろ、普通の人々のそれの方が地味な背景から浮き出ているようにも思える、職務を全うしようとする強い意志。管理人は、それがは ...

心理

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 「しなやかマインドセット」は、失敗を成功の基として捉えることができる。それができない「硬直マインドセット」は、能力こそが自分の価値だと考える。だから、成功も失敗も能力の発露、つまり、成功は有能の証であり失敗は無能の烙印ということになる。さまざまな挑戦の一 ...

文学,心理

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 本作『殺された天一坊』は、探偵小説の古い小品。作者の浜尾四郎は検事から弁護士に転じた身で、かつては犯罪心理を研究していたという。現在でも専門家がその筋の作品を書くということはあるが、当時は珍しかったかも知れない。作者には『殺人鬼』のような本格的な探偵小説 ...

心理,社会

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 性善説か性悪説か、本書『Humankind 希望の歴史』の主張は単純にそれだけの話ではない。しかし、旧約聖書以来の西洋思想に染みついた性悪説とそれがもたらす(自己成就予言的な、あるいはノセボ効果的な)害悪を正面から叩く、それも事実と証拠に照らして叩く、と ...

心理,経済,IT

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 本ブログで最初にレビューした『ファスト&スロー』で有名な行動経済学者ダニエル・カーネマンらの新著。人の判断のばらつき、すなわち『ノイズ』に特化した大冊である。判断誤りのうち、正しい値からのズレ、すなわち「バイアス」は目につきやすく、直すことは容易でないと ...

心理,ノンフィクション

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 本書『妻を帽子とまちがえた男』は、脳神経科医である著者の初期のノンフィクション作品である。表題のとおり、たいへん奇妙な症状を持った患者がたくさん登場するのだが、単なる医学的な報告ではなく(多少は説明されているが)、人間や人生についての考察だ。登場する患者 ...

心理,数理

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 本書『数学における発明の心理』は、読んで字のごとくの心理を扱うものではなく、高度の数学的課題がまるで考えていない時に解けた、あるいは夢の中で解けた、という類の一見すると常識に反するような数学的発明(発見)の心理に関するパイオニアのような本である。原著の出 ...

心理,ハウツー

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 自宅にいる場合の読書の大敵は電車と飛行機の騒音で、これを第1回と第2回で扱った。しかし、これらの騒音は音量としては大きいが、気を散らせるという意味ではもっと問題になる騒音もある。今回はこれらをまとめて採り上げて、自宅での騒音の完結編としたい。 ベランダの ...

心理,IT

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 未来予測というものは、大抵は外れる。それも、何か別の対象を予測していたのかというくらいに外れる。しかし、それは未来は想像もつかないくらいに開けていることを示していると考えれば、まんざら悪いばかりでもないかも知れない。本書『人を賢くする道具』は、未来予測の ...