科学

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 本書『宇宙を織りなすもの』は生粋の科学本、宇宙を構成する時間と空間の正体に迫った本だ。著者のブライアント・グリーンは、欧米に良くいる一流の学者でありながら筆が立つというタイプで、とにかくもの凄い筆力である。原子の内部から宇宙の果て、さらにはブラックホール ...

科学

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 古今東西、不老不死が熱望されてきたことは、老化と死が避けられないものだという認識の裏返しである。怪しげな薬やまじないの類はそれこそ山ほどあったが、不老不死どころか、何の効果もないことは、現代医学の到来を待つまでもなく、うすうす気づかれていたことだろう。そ ...

経済,科学

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 本書『システムの科学』は、コンピュータ科学、意思決定・問題解決の専門家で、ノーベル経済学賞も受賞した著者が、「これまでの得られた研究成果をふんだんに盛り込み、永年にわたって構想してきた雄大なテーマをここに初めて開陳する」というもの。抽象度が高く、難易度も ...

哲学,科学

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 本書『偶然と必然』は、ノーベル医学生理学賞受賞の著者が、合目的性を大きな特徴とする生物の謎、そしてそこに内在する思想問題に迫った本である。我々人間をはじめ、すべての生物に一定の合目的性が備わっていることは、否定のしようがない。しかし、通常「目的」というの ...

科学,ハウツー

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 読書のためには、それなりの環境を整えることが必要である。中でも重要なのが、どうやって騒音を避けるかである。特に管理人は、それでなくても気が散るタチなので、ずっと気に掛けてきた。ただ、騒音は外から問答無用で入ってくるものだから、対策を立てようにも限界がある ...

哲学,科学,青空文庫

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 本書『科学の不思議』の著者は、アンリ・ファーブル。『昆虫記』で有名な、あのファーブルである。内容はその著者や表題から想像できるとおりで、少年少女向けに、さまざまな科学上の疑問に答えてゆくというもの。  しかし、ここで注目したいのは、本書の訳者である。大杉 ...

科学

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 本書『地球生命圏』の出版は1979年(日本では1984年)。当時は環境保護ブームに乗って、ずいぶんと話題になった。何より、ガイアすなわち、地球上に生きるものすべてが全体として構成しているひとつの生命体、自らの棲み処である地球環境を積極的に維持し調節してい ...

社会,科学

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 本書『科学と社会』の著者は中谷宇吉郎。寺田寅彦を師に持ち、北大を拠点に低温科学の研究に多大の業績を残した物理学者である。世界で初めて人工雪の製作に成功したことで知られるほか、科学を題材とした一般向けの随筆もよくした。中でも『雪』は、科学者としての冷静な観 ...

歴史,科学,青空文庫

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 本書『宇宙の始まり』は、スウェーデンの物理化学者である著者が1907年に書いた、神話時代から現代(著作時点)までの宇宙開闢の認識についての「進歩」を語ったものである。あえて「進歩」と言ったのは、著者が科学者であるばかりでなく、同時代の西欧の知識人の例に漏 ...

科学,スポーツ

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 今回は、古生物学者グールドのエッセイ集『フラミンゴの微笑』の下巻冒頭を飾っている「両極端の消滅」というエッセイである。表題が半ば答となっているのだが、米国大リーグでなぜ、1941年のテッド・ウィリアムズを最後に4割打者が誕生しなくなった(このエッセイが書 ...