哲学,社会

Thumbnail of post image 004
 これは数ある論点のうちの一つにすぎないのだが、人工知能民主主義(あまりに複雑になった世界においては、貧しい知能しか持たない人間を政治から追放し、意志決定を人工知能に任せるべきだとする政治思想)について、本書は皮肉かつ適切な指摘をしている。曰く、 [人工知 ...

文学

Thumbnail of post image 118
 ゴルディアン・ノットとは、アレクサンドロス大王にまつわる古代神話に出てくる難問である。「この結び目を解くことができた者こそ、アジアの王になるであろう」と予言された堅い結び目を、アレクサンドロスは剣で一刀両断にしたのである。少々乱暴なところはあるものの、目 ...

心理

Thumbnail of post image 093
 「しなやかマインドセット」は、失敗を成功の基として捉えることができる。それができない「硬直マインドセット」は、能力こそが自分の価値だと考える。だから、成功も失敗も能力の発露、つまり、成功は有能の証であり失敗は無能の烙印ということになる。さまざまな挑戦の一 ...

文学,青空文庫

Thumbnail of post image 103
 本作『パノラマ島綺譚』は、江戸川乱歩としては長目の中編、奇想天外なある方法で無人島に自身の芸術の粋を集めた「パノラマ島」を築くという狂気を描いたものだ。ミステリーとしてはその「方法」のところがメインなのかも知れないが、本作をただのミステリーに終わらせない ...

文学,青空文庫

Thumbnail of post image 143
 本作、ジャック・ロンドンの『荒野の呼び声』は、何度か映画化されているし、確かアニメにもなっていたはずである。それなりに有名であることは知っていたし、原作があることも知っていた。ただ、映画やアニメが先に来るとチープ感がついて回る感じがして、敬遠していたわけ ...

文学

Thumbnail of post image 168
 本作『密やかな結晶』は、当代一流のストーリー・テラーである作者の比較的初期の作品である。少し前にブッカー国際賞の候補になったのは、作者の作品としては珍しく社会目線が強い作品である故か。もっとも、舞台である架空の島から次々とモノが消滅していくという異様な世 ...

文学

Thumbnail of post image 148
 本作『シルヴェストル・ボナールの罪』は、作者アナトール・フランスの出世作ということである。主人公のボナール先生は中世修道院の歴史を研究する老学士院会員、そして本に囲まれ古書の目録を味読する本の虫であるから、ギッシングの『ヘンリ・ライクロフトの私記』のよう ...

文学,心理

Thumbnail of post image 138
 本作『殺された天一坊』は、探偵小説の古い小品。作者の浜尾四郎は検事から弁護士に転じた身で、かつては犯罪心理を研究していたという。現在でも専門家がその筋の作品を書くということはあるが、当時は珍しかったかも知れない。作者には『殺人鬼』のような本格的な探偵小説 ...

哲学,文学

Thumbnail of post image 118
 奇書好きの管理人にとって外せないのが、本書『禅とオートバイ修理技術』だ。題名からして奇異であるが、何やら哲学やテクノロジー論と関係したものらしい。そもそも管理人が本書の存在を知ったのは、たまたま読んでいた本が何と二冊続けて本書を引用していたからだ。二冊は ...

文学,社会

Thumbnail of post image 118
 本作『グスコーブドリの伝記』は、宮沢賢治の童話。内容をつづめれば、主人公のブドリが、貧しい少年時代からの苦学の末、クーボー大博士に見込まれて火山局の技師となり、ついには科学技術の力をもって激しい寒気と凶作に立ち向かう、自身の生命という尊い犠牲を払って、と ...