哲学,社会

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 これは数ある論点のうちの一つにすぎないのだが、人工知能民主主義(あまりに複雑になった世界においては、貧しい知能しか持たない人間を政治から追放し、意志決定を人工知能に任せるべきだとする政治思想)について、本書は皮肉かつ適切な指摘をしている。曰く、 [人工知 ...

社会

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 自発的隷従とは、なぜたった一人の支配者に多数の国民が隷従してしまうのか、という疑問に対して著者ボエシが答えようとした、被支配者側の習性ないしは性向である。本書では、支配者がしばしば用いる飼い慣らしのための詐術にも触れられているが、真に問題なのは、自由を失 ...

社会,青空文庫

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 本書『政治学入門』は、わずか100頁ほどの小著であるが中身は濃い。「政治学」とあるが政治そのものについての本であり、「入門」とあるが教科書的な入門書ではなく著者の信念がこもっている。「政治」の本質に遡って基本的な視座を示してくれる、さらに言えば、多くの人 ...

社会,ノンフィクション

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 本書『村に火をつけ、白痴になれ』は、無政府主義研究者である著者による伊藤野枝の(きわめて軽い文体による)評伝である。野枝については大杉と共に『科学の不思議』で触れたことがあるが、本書はその主義と生き方そのものを伝える本である。表題は小説の中での話のようで ...

社会,スポーツ

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 本書『スポーツルールの社会学』は題名どおり、スポーツの歴史や社会との関わりを主にルールの側面から俯瞰した小著である。近年のスポーツの変質を嘆くあまり、妙なところに力こぶが入っているところもあるが、興味深い話が幾つも出ている。少し古くなってしまっていて、最 ...

社会,歴史

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 本書『特攻』は題名の通りあの特攻、すなわち死を前提に敵艦に突っ込んだ「特別攻撃隊」について書かれたものだ。特攻に関する文献は本書でもいろいろ引かれているように多数ある。その中で、比較的新しい資料やインタビューを含めて書き下ろされたのが本書だ。多くの言葉を ...

文学,社会

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 本作『グスコーブドリの伝記』は、宮沢賢治の童話。内容をつづめれば、主人公のブドリが、貧しい少年時代からの苦学の末、クーボー大博士に見込まれて火山局の技師となり、ついには科学技術の力をもって激しい寒気と凶作に立ち向かう、自身の生命という尊い犠牲を払って、と ...

社会,経済

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 本書『隷従への道』は、著者ハイエクの主著の一つ。自由主義や民主主義が全体主義へと「隷従」していきかねない思想と社会の動きに警鐘を鳴らしたものだ。本書の出版は1944年、第二次世界大戦中であるから、必ずしも西が東を敵と見た本ではない。むしろ西の中に胚胎しつ ...

心理,社会

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 性善説か性悪説か、本書『Humankind 希望の歴史』の主張は単純にそれだけの話ではない。しかし、旧約聖書以来の西洋思想に染みついた性悪説とそれがもたらす(自己成就予言的な、あるいはノセボ効果的な)害悪を正面から叩く、それも事実と証拠に照らして叩く、と ...

社会,経済,芸術

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 本書『「レンブラント」でダーツ遊びとは』は、文化的遺産について、権利と価値あるいは価値と価値が衝突する場合、これをいかに調整するかという課題に取り組んだものである。ショッキングな本書の題名は、それを端的に表している。レンブラントの絵画、例えば「夜警」であ ...