心理,社会

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 本書『社会はなぜ左と右にわかれるのか』は、最近読んだ本の中で最も有益なものの一つだった。本書はもともと、政治的リベラルであった著者の、なぜ(アメリカの政治において)リベラル派は保守派に負け続けているのか、という問題意識に端を発している。それを、著者の専門 ...

言語,ノンフィクション

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 ピダハンとは、アマゾンの奥地に暮らす400人ほどの少数民族。本書『ピダハン』は、キリスト教の伝道師であった著者が、30年がかりで彼らの独特の文化と言語を研究した記録だ。著者は、その間何度も、家族と共に彼らの居住地を訪れ、彼らと共に生活し、研究を進める。い ...

心理,社会,IT

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 AIが本当にシンギュラリティに到達したら、どうなるのだろうか。AIが人間を滅ぼして人間にとって代わるのだろうか。AIが地球(あるいは地球外)に独自のコミュニティを作って、新たな「生命体」として繁栄するのだろうか。たいへん興味深く、また恐ろしい話でもあるが ...

哲学,文学

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 文豪漱石は、講演の名手でもあったという。本書『私の個人主義』の中にも、「紆余曲折の妙がある」という他の講演者による評が出てくる。実際に読んでみても、誰にでも分かる日常の例(かなり下世話なものまで)から初め、軽妙洒脱に話を展開させ、深遠な結論にまで持ってい ...

哲学

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 プラトンは、紀元前400年ころアテナイに生きた人である。現代の我々とは大きな隔たりがあるが、「西洋哲学の歴史はプラトンへの膨大な注釈である」とまで言われた影響力を通して、現代の我々ともつながっている。そういうプラトン(と師であるソクラテス)の考えそのもの ...

心理,ハウツー

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 「インストラクション」と言われると、指図や命令の類と考えがちだが、本書『理解の秘密』によれば、「どんなときにもインストラクションはついてまわる」ということだ。飛行機の乗客が安全装置の説明を受ける、会議に出席する、同僚と話す、新しい器具を買う、レストランで ...

哲学,文学

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 本作『ガラス玉演戯』は、ヘルマン・ヘッセの最後の大作、ノーベル文学賞受賞の決定打となった作品だ。本作の中心にあるのは「ガラス玉演戯」、すなわち、人類が生み出した科学と芸術の内容と価値を、高度に発達した神秘の言葉で表現し、相互に関係づけ、画家やオルガン奏者 ...

哲学

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 本書『これから「正義」の話をしよう』は、ハーバード大学のサンデル教授が行った「白熱教室」を書籍化したものだ。日本でも話題になったが、正直なところ、あれだけ売れたのは「ハーバード」のブランドとプレゼンテーションの手際が大きかったように思う。本書の内容そのも ...

哲学

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「なぜ、善良な人が不幸にみまわれるのか」、この問いこそが本書『なぜ私だけが苦しむのか』のメインテーマである。著者が「これ以外のすべての神学的な会話は、気晴らしにしかすぎません」と言い切る重い問いだ。  管理人のように特に信仰を持たない人間であっても、素朴な ...

文学,ノンフィクション,青空文庫

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 森鴎外には、伝記文学の傑作と称される三作品がある。『伊沢蘭軒』、『北条霞亭』、そして本作『渋江抽斎』である。中でも本作は、鴎外の全作品はおろか、近代日本文学の最高峰の一つとの声もあるほどだ。文章は惚れ惚れするほど立派。無駄な飾りがなく、抽斎本人から家族、 ...