権利と価値との衝突『「レンブラント」でダーツ遊びとは』
本書『「レンブラント」でダーツ遊びとは』は、文化的遺産について、権利と価値あるいは価値と価値が衝突する場合、これをいかに調整するかという課題に取り組んだものである。ショッキングな本書の題名は、それを端的に表している。レンブラントの絵画、例えば「夜警」であ ...
言語に操られる言語使い『思考と行動における言語』
本書『思考と行動における言語』は、日系アメリカ人の著者による一般意味論の古典的名著。言語本ではあるが、言語をいかにうまく操るかではなく、いかに言語に操られないようにするか、というところに焦点を当てている。それが「思考と行動における」の意味するところだ。本 ...
アメリカだけでも資本主義だけでもない『ショック・ドクトリン』
本書の題名は『ショック・ドクトリン』。最初に読んだ時は聞き慣れなかったが、本書の影響なのかどうか、その後マスコミなどでも聞かれるようになった。この「ショック・ドクトリン」とは惨事便乗型資本主義、すなわち、戦争、津波やハリケーンなどの自然災害、政変などの危 ...
保守主義とは「アンチ主義」であった『保守主義とは何か』
保守主義というのは、何となく理解できるようでいて、実は良く分からない。伝統ガチガチの保守派も、反動的な右派も、新自由主義も、一緒くたに保守の範疇で語られることがあるが、共通項が希薄であるように見える。 以前にレビューした『社会はなぜ左と右にわかれるのか ...
社会モデル考察の土台づくり『社会科学のためのモデル入門』
本書『社会科学のためのモデル入門』はその昔、「モデル」という点に着目して買ったのだったが、内容的には学部レベルの経済学の入門書というところ。それほど難しくない話をページを割いてとにかく丁寧に丁寧に説明し、そして考えさせる、アメリカの教科書に良くあるスタイ ...
政治家に問う自覚と責任『職業としての政治』
少し以前、人気ジャーナリストであるI氏が、与党の二世議員であるK氏に「マックス・ウェーバーの『職業としての政治』についてどう思うか」という質問をしていた。自分はしっかり予習しておいて、おそらくは読んでいないか忘れてしまっているかの相手に質問するのだから、 ...
「夜警国家」ならぬ「夜警メディア」はいかが『誤報』
本書『誤報』は、タイトルそのまま、マス・メディア(主に新聞)の誤報に焦点を当て、その原因と過程を分析・検証したもの。著者自身がかつて悩まされ、また他に迷惑もかけてきた誤報についての著者なりの総括である。その著者は朝日新聞の元記者。誤報の例は各新聞から採ら ...
まだ独立はしていないハイパー民主主義国家『謎の独立国家ソマリランド』
本書『謎の独立国家ソマリランド』は、出版された2013年にノンフィクション部門の出版賞を総なめにした超ベストセラー本である。帯にも「三冠制覇!」などと書かれている。そういう本はわざわざ紹介するまでもないのだが、本書はやはりそれに値する。ということで、少し ...
北朝鮮での数奇な日常『拉致と決断』
本書『拉致と決断』は、北朝鮮による拉致の被害者の一人である著者が、拉致から24年後に日本に帰国するまでの生活と思いを、帰国の10年後に著したものである。それだけの年月が「北朝鮮での24年間全体に真正面から向き合」うのに必要だったということだ。管理人は、数 ...
国家の危機を乗り越える力『危機と人類』
本書『危機と人類』は、毀誉褒貶の激しい「ベストセラー学者」である著者ジャレド・ダイアモンドによる、国家の危機とそこからの回復を扱った歴史書である。国家の危機を、個人の危機への対応策(特に、ボストンのナイトクラブで起きた火災事故への対応策として開発された心 ...