『読んでいない本について堂々と語る方法』があるようだが結局は全部読んでしまう
本書『読んでいない本について堂々と語る方法』は、誤解されそうな題名がついているが、読んでもいない本について知ったかぶりをするとか、読んでいない本について読書感想文を書くとかといった本ではない(それにも使えそうではあるが)。本を読むより自分自身を語ることの ...
鉄道は読書の空間と時間をも生み出した『鉄道旅行の歴史』
読書は電車の中で捗る。通勤電車の中の15分ですら、なかなか貴重だ。旅行の予定でもあれば、移動時に読む本をあらかじめ仕込んでおく。さらに時間が増える飛行機はなお良しで、管理人は機内配信のビデオなど見たことがない。こういう感覚は当たり前に思えるのだが、当然、 ...
最速投手の今昔『プロ野球ヒーロー 伝説の真実』
史上最も速いランナーは誰か、最も強いチェス・プレイヤーは誰か、といったことは、スポーツを初めとする競技でのファンの関心事の一つである。本書『プロ野球ヒーロー 伝説の真実』は、その野球版を扱ったデータ本である。本書には、プロ野球の黎明期からの伝説の選手達に ...
インターネットで観るvs.現物を観る『とっておき 美術館』
本書『とっておき 美術館』は、著者が訪れた個性的な(そして比較的小さな)美術館についてのエッセイ集である。著者は、ドイツ文学の研究が本職という人らしい。海外を含む45の美術館が収められているが、ルーブル美術館や国立西洋美術館といった有名どころは初めから対 ...
漢字文化圏の言葉と芸術『書とはどういう芸術か』
管理人は、「書」については素人である。しかし、たまたま読んだ本書『書とはどういう芸術か』は、意外にも興味深く感じられた。本書の本題は、書家である著者が、書の芸術性の本質を探るという表題どおりのもの。それ自体は、はっきりと言い表すことは難しいものの明らかで ...
消えた4割打者「両極端の消滅」
今回は、古生物学者グールドのエッセイ集『フラミンゴの微笑』の下巻冒頭を飾っている「両極端の消滅」というエッセイである。表題が半ば答となっているのだが、米国大リーグでなぜ、1941年のテッド・ウィリアムズを最後に4割打者が誕生しなくなった(このエッセイが書 ...
版画家エッシャーの心『無限を求めて』
本書『無限を求めて』は、独特の平面分割や奇妙な立体等で有名なエッシャーの文章を集めたもの。自身の芸術観を語る往復書簡と演説、(病気のため実現しなかった)アメリカでの講演用の原稿、平面の正則分割に関する論考、そして晩年のエッシャーと親しかったフェルミューレ ...
チェス・将棋・囲碁でのAIへの敗れ方『われ敗れたり』
伝統的なボードゲームのすべてで、人間はAIの前に屈してしまった。その順番は、盤の小さい順で、チェス、将棋、囲碁、である。本書『われ敗れたり』は、2012年1月、人間が将棋AIに屈する前後、当時日本将棋連盟会長であった米長邦雄永世棋聖が、自ら将棋AIボンク ...
帝大教授にして山林王の蓄財術『私の財産告白』
本書『私の財産告白』は、タイトルのとおり著者が自身の蓄財術(あるいは広く財産管理術)を振り返ったものであるが、「知る人ぞ知る」珍本と言えるものだ。その理由は著者にある。この種の本を書く人といえば、成功した投資家か経営者というのが相場だろうが、本書の著者で ...
日々の実践コミュニケーション論『理解の秘密』
「インストラクション」と言われると、指図や命令の類と考えがちだが、本書『理解の秘密』によれば、「どんなときにもインストラクションはついてまわる」ということだ。飛行機の乗客が安全装置の説明を受ける、会議に出席する、同僚と話す、新しい器具を買う、レストランで ...