チャプリンから民主主義へのメッセージ『独裁者』
本作『独裁者』は本ではなく映画、チャプリンの凄まじいまでの風刺映画だ。「風刺」を超えて、笑いによる「直接攻撃」という感がある。本作はあまりに有名であるし、批評もし尽くされているが、管理人なりの感想をということで、今回の題材に選んでいる。 本作の舞台は、 ...
版画のオリジナリティとは『広重「東海道五十三次」の秘密』
浮世絵版画「東海道五十三次」と言えば、歌川広重の代表作、自身が京都御所への公式派遣団の一人として東海道を旅した時のスケッチを基に1833年に制作された、というのが定説である。これに対し、本書『広重「東海道五十三次」の秘密』は、驚きの新説を持ち出す。「五十 ...
進化的ミスマッチが病を引き起こす『人体600万年史』
人間の人間たる所以は、発達した脳による高度の精神能力にある、というのは確かにそのとおりだろう。本書『人体600万年史』も、人間を「きわめて文化的な種」と位置づけている。しかし、同時に「筋肉に対する脳の勝利という見方だけで現生人類の進化を捉えるのは不正確で ...
「美」そのものを見抜けるか『にせもの美術史』
本書『にせもの美術史』は、美術品の贋作者とそれに騙される蒐集家、そして見破ろうとする鑑定家の対決を描いたものだ。現代は贋作の黄金時代だそうで、著者が5万点に及ぶ美術品を調べた結果、その40パーセントが偽物あるいは偽物同然という代物だったという。 贋作者 ...
西洋美術の碩学が問う『日本人にとって美しさとは何か』
本書『日本人にとって美しさとは何か』は、絵画から、建築、音楽、和歌、文字まで、古今の日本の美に関する講演記録や寄稿文をまとめたものである。著者の高階秀爾氏と言えば、元国立西洋美術館館長、西洋美術の碩学というイメージであったから、「日本人にとって……」とい ...
『睡眠こそ最強の解決策である』は本当らしい
本書『睡眠こそ最強の解決策である』は、さすがに睡眠の重要性を強調し過ぎではないかという感はあるものの、ともかく、睡眠に関する現時点での知見を集大成したような本だ。だんだんと夜眠れなくなってきた今日この頃、何か良い処方箋はないものかと手に取ったのだが、原題 ...
AIの遠い祖先『謎のチェス指し人形「ターク」』
IBM製のチェス・コンピュータ「ディープ・ブルー」が人間界のチェスの世界チャンピオンであったカスパロフを破ったのは、21世紀も間近の1997年のことである。それ以前、本当の意味で機械と人間が知的競争を始めたのはごく近年のことであるが、本書『謎のチェス指し ...