ビッグデータを超える『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』
ビッグデータが流行りである。世間では、データさえあれば何でもできる、というような風潮がある。しかし、本書『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』は、違うと言う。データの扱い、分析、解釈においては、人間の判断が重要な役割を担う。特に、ある広告を打ったことで ...
シンギュラリティより怖いもの『AIvs.教科書が読めない子どもたち』
本書『AIvs.教科書が読めない子どもたち』の著者は、数学者。AIで東大合格を目指した「東ロボくん」プロジェクトのリーダーにして、読解力調査のためのリーディングスキルテストの産みの親だ。一見すると、AIと読解力はあまり接点がないように見えるが、本書でその ...
版画のオリジナリティとは『広重「東海道五十三次」の秘密』
浮世絵版画「東海道五十三次」と言えば、歌川広重の代表作、自身が京都御所への公式派遣団の一人として東海道を旅した時のスケッチを基に1833年に制作された、というのが定説である。これに対し、本書『広重「東海道五十三次」の秘密』は、驚きの新説を持ち出す。「五十 ...
進化的ミスマッチが病を引き起こす『人体600万年史』
人間の人間たる所以は、発達した脳による高度の精神能力にある、というのは確かにそのとおりだろう。本書『人体600万年史』も、人間を「きわめて文化的な種」と位置づけている。しかし、同時に「筋肉に対する脳の勝利という見方だけで現生人類の進化を捉えるのは不正確で ...
一人であって一人でない自分『私とは何か』
本当の自分とは何なのか、この問いに対して本書『私とは何か』は、唯一無二の「本当の自分」などないと言う。むしろ、対人関係ごとに見せる複数の顔、その総体こそが、本来の自分ということだ。著者はこれを「個人」ならぬ「分人」と呼ぶ。気鋭の小説家である著者は、自身の ...
『実践 行動経済学』で何をどう「ナッジ」すべきか
経済行動を心理学的手法を用いて研究するのが、行動経済学。本書『実践 行動経済学』は、この分野の権威であるリチャード・セイラー(ノーベル経済学賞受賞)と、法制度の専門家であるキャス・サンスティーンによる、行動経済学とその応用についての一般向け概説書である。 ...
気候変動のロシアン・ルーレット『チェンジング・ブルー』
本書『チェンジング・ブルー』は、気候変動について科学の立場から考察した正統派の一冊だ。帯に「第一線の研究者による、信頼ですべき正確な解説書。しかし、これは同時に、第一級の科学ノンフィクションだ」とある。帯はプロモーション用であって、本の内容を正しく表して ...
「美」そのものを見抜けるか『にせもの美術史』
本書『にせもの美術史』は、美術品の贋作者とそれに騙される蒐集家、そして見破ろうとする鑑定家の対決を描いたものだ。現代は贋作の黄金時代だそうで、著者が5万点に及ぶ美術品を調べた結果、その40パーセントが偽物あるいは偽物同然という代物だったという。 贋作者 ...
明治の仏僧が記した日本の奇書『チベット旅行記』
「日本の奇書」をインターネットで検索すると、『ドグラ・マグラ』のような推理小説が出てくるが、本書『チベット旅行記』の方がずっと「奇書」に値する。と言うか、本書はれっきとしたノンフィクションだから、書かれている内容つまり事実そのものが「奇」なのである。 「 ...
シェイクスピアは誰なのか『謎ときシェイクスピア』
本書『謎ときシェイクスピア』は、シェイクスピアが誰なのかを探った謎解き本である。もちろん、シェイクスピアはシェイクスピアに決まっているのだが、長年「本人」とされてきた劇団の一役者シェイクスピアは隠れ蓑で、実際の文豪シェイクスピアは別の人物に違いない、とい ...