真実へのアンチ・テーゼ『嘘の効用』

本書『嘘の効用』は、戦後改革にも携わった法学の大家が書いたもの。裁判での「嘘も方便」から話が展開してゆく。裁判では、法律に事実をあてはめて判決を導く。「法律×事実=判決」である。ここは譲れない。ところが、法律が硬直化していて実情に合わないような場合、審理 ...
自由意志との対決『マインド・タイム』

自分が何かしようと意識するよりも、その何かをするための脳プロセスの方が時間的に先行している、という驚きの実験結果が本書『マインド・タイム』の中核だ。そうだとすると、意識は自分の行為をコントロールするためにあるのではなく、その持主に「自分の行為は自分でコン ...
聖俗が対決する「超人」の一代記『レ・ミゼラブル』

本書『レ・ミゼラブル』は、一片のパンを盗んだために19年間も投獄され……と紹介されることが多いが、それは物語の導入で、実は本筋とあまり関係がない。そもそも窃盗での当初の刑期は5年、その後に4回も脱獄を繰り返しての19年である。当時としても重かったのだろう ...
ノーベル経済学賞受賞の心理学者が書いた『ファスト&スロー』

管理人は、リアルの世界で他人に本を勧めることはしない。その本に興味がなければどうせ読まないだろうし、興味があれば要らぬお節介だからだ。実際、たまにしか本を読まない人が、たまに読んだ本に入れあげて「これは良い本だから読んでみて」などと押し貸ししてくることが ...
新ブログ

いずれは間口を広げたいとも思っていますが、当面は書評中心で行く予定です。なるべく普通の書評にはない、違った視点を提供できればと思います。訪問者の皆さんの読書に、多少なりとも刺激になれば幸いです。基本方針は、 個人の書評サイトなので、ただの内容紹介でなく、 ...