アマゾン少数民族の言語と宇宙『ピダハン』
ピダハンとは、アマゾンの奥地に暮らす400人ほどの少数民族。本書『ピダハン』は、キリスト教の伝道師であった著者が、30年がかりで彼らの独特の文化と言語を研究した記録だ。著者は、その間何度も、家族と共に彼らの居住地を訪れ、彼らと共に生活し、研究を進める。い ...
帝大教授にして山林王の蓄財術『私の財産告白』
本書『私の財産告白』は、タイトルのとおり著者が自身の蓄財術(あるいは広く財産管理術)を振り返ったものであるが、「知る人ぞ知る」珍本と言えるものだ。その理由は著者にある。この種の本を書く人といえば、成功した投資家か経営者というのが相場だろうが、本書の著者で ...
繰り返される『論文捏造』は科学の崩壊なのか
日本でも数年前、STAP細胞にまつわる事件(STAP事件)があった。この時はまさに「劇場型」とも言うべき事件の展開があって世間の注目を集めたが、結局、ES細胞の混入ということで落ち着いた。管理人としては、個々の経緯で腑に落ちないところも残ったが、世間はも ...
異能の天才数学者ラマヌジャン『無限の天才』
どんな分野であれ、破天荒の天才というのは、夢を託したくなる存在だ。本書『無限の天才』で描かれるインドの天才数学者ラマヌジャンは、まさにそのような人物だ。ただの天才とか、超天才とかいうのとは次元が異なる、常人の理解を絶するような存在なのだ。数学の天才という ...
森鴎外の伝記文学の傑作『渋江抽斎』改め『抽斎&五百』
森鴎外には、伝記文学の傑作と称される三作品がある。『伊沢蘭軒』、『北条霞亭』、そして本作『渋江抽斎』である。中でも本作は、鴎外の全作品はおろか、近代日本文学の最高峰の一つとの声もあるほどだ。文章は惚れ惚れするほど立派。無駄な飾りがなく、抽斎本人から家族、 ...
版画のオリジナリティとは『広重「東海道五十三次」の秘密』
浮世絵版画「東海道五十三次」と言えば、歌川広重の代表作、自身が京都御所への公式派遣団の一人として東海道を旅した時のスケッチを基に1833年に制作された、というのが定説である。これに対し、本書『広重「東海道五十三次」の秘密』は、驚きの新説を持ち出す。「五十 ...
「美」そのものを見抜けるか『にせもの美術史』
本書『にせもの美術史』は、美術品の贋作者とそれに騙される蒐集家、そして見破ろうとする鑑定家の対決を描いたものだ。現代は贋作の黄金時代だそうで、著者が5万点に及ぶ美術品を調べた結果、その40パーセントが偽物あるいは偽物同然という代物だったという。 贋作者 ...
明治の仏僧が記した日本の奇書『チベット旅行記』
「日本の奇書」をインターネットで検索すると、『ドグラ・マグラ』のような推理小説が出てくるが、本書『チベット旅行記』の方がずっと「奇書」に値する。と言うか、本書はれっきとしたノンフィクションだから、書かれている内容つまり事実そのものが「奇」なのである。 「 ...
シェイクスピアは誰なのか『謎ときシェイクスピア』
本書『謎ときシェイクスピア』は、シェイクスピアが誰なのかを探った謎解き本である。もちろん、シェイクスピアはシェイクスピアに決まっているのだが、長年「本人」とされてきた劇団の一役者シェイクスピアは隠れ蓑で、実際の文豪シェイクスピアは別の人物に違いない、とい ...
AIの遠い祖先『謎のチェス指し人形「ターク」』
IBM製のチェス・コンピュータ「ディープ・ブルー」が人間界のチェスの世界チャンピオンであったカスパロフを破ったのは、21世紀も間近の1997年のことである。それ以前、本当の意味で機械と人間が知的競争を始めたのはごく近年のことであるが、本書『謎のチェス指し ...